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「眠れない?」
「…ごめん」
「いいよ、ずっと起きてた」
「なんで」
「キルアが泣くから」
「泣いてねえよ」
「泣いてるよ」
キルアが見ていた窓の外で、幾つもの小さな水のカタマリが音をたてて堕ちていくのをみた。
ゆっくり近付いて抱き締めたら、一瞬強張ったけど、すぐに身体を預けてくれた。
服の肩の部分に小さなしみができて、ちょっとだけ冷たかった。
(涙を拭ってやれるこの手さえあれば、それでいいと思った。)
(080921)
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