日常

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ピピピピ 高音なデジタル音が部屋に鳴り響いた のそりと手を出して音を発する時計を乱暴にたたいた 音はやみ、また部屋に静寂が訪れた しばらくして、修二はゆっくりと起き上がった 現在の時刻は7時 早くも遅くもない時間だ ベッドから出て、学校へと向かう準備を着々とする 朝は余計な思考などしない ただ淡々といつものことを繰り返す それが修二の朝だった ブレザーに着替え、階段をゆったりと降り リビングに入る 静まり返ったリビング 親は共働きで普段この時間は出勤している テーブルには冷めたパンに苺ジャムの瓶 そして「これで何か買ってね」と書かれた置き書きに1000円札三枚 これもいつものことだ たいして気にもせず、パンをかじりながら、家を出た 時刻は7時10分 少し風が冷たい朝だった
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