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しかし、凄いな。
見渡す限り、木しかない。
しかも機体よりも高い木々。
俺がキョロキョロしてたのに気付いたのか、隊長は注意を促した。
《あちこちに対ガイアウェポン用の地雷が仕掛けられてるからね、あんまり下手に動かないでよ》
「は、はい」
画面の地図にも地雷が仕掛けられてるポイントが一目見てわかるようになっている。
赤い丸で囲まれた所がそうみたいだ。
だが、道順に沿っていけば安全に基地へ辿り着けるようだ。
隊列から離れないように慎重に進んで行こう。
《リョー、どうだ調子は?》
その声と同時に画面にハインドの顔が映し出される。
「ん、どうって……?」
《機体の調子だよ、【大和】から【クロノス】に乗り換えたんだ、操縦しにくいとかないか?》
どうやらハインドは俺に気遣って様子を聞いてきたらしい。
「特に問題ないぞ?」
多少、操作が重いくらいか。
それ以外は特にないか。
《そうか、ならいいが、無理はするなよ?》
恐らく、ハインドはマギドの件があったから心配してきたようだ。
「大丈夫、俺とハインドで組んで倒せなかった敵なんていないだろ?」
そう。
ハインドとの連携で倒せなかった相手はいない。
聖十字騎士団だろうが、敵のスパイだろうが、ハインドと一緒に戦って全て落としたのだから。
きっと、これはハインドの操縦の腕がいいからなんだろう。
《それも、そうだな》
《――ハイハイ、お喋りはそこまでで、そろそろ目的地に着くよ》
……また隊長に怒られてしまった。
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