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あれは私が小学生の頃に体験した話です。
この日、私は夜中にトイレに行きたくなり、目を覚ましました。
普段は母に付き添って貰ってましたが、この日は母の体調が悪く、仕方なく私一人でトイレに向かいました。
トイレで用を足し、立ち上がった時、何気なく窓の外に目を向けました。
すると窓の外には、街灯に照らされ、下にうつむいた髪の長い女性が立っていました。
私はとても驚きましたが、その場所に目が釘付けになりました。
なぜなら、時間もさることながら、その女性の服装が現代の人とは思えなかったからです。
緋色の襦袢のような物を着ていて、髪は腰まで伸び、肌の色は真っ白。
しかも、小さな町であるにも関わらず、私はその人に全く見覚えがないのです。
そして、薄暗い明かりの下、うつむいていた女性が徐々に顔を上げました。
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