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すると目の前に仏壇が見えてきました。
やがて仏壇の真ん中から一筋のまばゆい光が差し込みました。
よく見ると階段だったそうです。
その階段から誰かが降りて来ます。
よく見ると、それは母の父、つまり私の祖父でした。
私の祖父は母が二歳の時に病気で他界しました。祖母はすぐに蒸発し、母は親戚に育てられました。
ゆっくりと階段を降りてきた祖父は母に言いました。
「このままじゃお前が辛いだけだ。一緒に行こう!!!!」
そう言い続けました。
しかし母は祖父を見据え、言いました。
「この生活は辛い。だけどこの子を置いてはいけない!!……お父さん、ごめんね。一緒には行けない……。」
そう告げると、祖父は黙って階段を上り、仏壇と共に消えていきました。
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