第零章 ―闇の中に生きる者―

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――闇の中で眼を開けて……。 何て無意味な事だと自分を笑う。 この暗闇は何処まで続いているのか……。 此処から早く出して欲しいと願えば願う程虚しく。 いつしか足掻く事さえ止めた。 神様が助けてくれると言うのならば。 その神様の為に死ぬまで祈り続けてやってもいい。 悪魔が助けに来たっていい。 体の一部でも何でもくれてやる。 とにかく出してくれた奴に死ぬまでついていく。 そう決めた。 ――そして。 この世界が壊れる事を強く、願った。  
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