第一章 ―呪いの始まり―

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一年中、花咲き乱れる国。 世界の平和の象徴、花幸祈【かこうき】。 その花幸祈国王、扇華宝【せんかほう】と王妃、美零崇【みれいす】の間に待望の第一子が誕生した。 「見事、男子に御座います」 取り上げた医師の言葉に二人は喜び互いを見つめ合い、微笑む。 「こっ……これは!!」 和やかな雰囲気は医師の悲鳴により打ち消された。 「何事だ。騒々しい」 慌てて家臣が医師に近付き、取り上げたばかりの子を見ると右手親指の根元、右首筋、右の頬、左目の下、左胸、腹、左の太股に小さいながらも奇妙な痣があった。 そして、何より驚いたのが……。 「男子じゃなかったのか!?」 有るべきはずの場所に男性の性器が無いのだ。  
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