第一章 ―呪いの始まり―

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医師は青ざめながら呟く。 「月下美人の呪い……」 その場にいた王妃以外の全ての人間が反応した。 王家に関わる人間で知らない者はいない。 王家に伝わる呪い『月下美人』。 「国王様、月下美人とは何です!?我が子はどうなるのですか!」 王妃は、国王から何も知らされていなかった。 それは数百年という長い間、月下美人の呪いを持ち生まれた子がいなかった為に家臣達は勿論、国王すらも大昔のくだらない作り話かと思っていたからである。 「……王家には、稀に月下美人の呪いを受けながら生まれてくる子がいるそうだ」 国王は怯え、声を震わせながら話す。 「月下美人の呪いを受けて生まれた子はその証を身体中に持っている。この子の……その痣だ」 身体中に散らばる無数の痣。 呪いの証。  
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