第一章 ―呪いの始まり―

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「それで……この子にはどんな災いがあるのですか……?」 王妃は溢れ出して止まらない涙を何度も拭いながら、それでも母としての強さで真実を受け止めようとしていた。 「男子にかかってしまう呪いで、一年のうちに二度程しか本来の男の姿に戻れない。呪いを受けている間はずっと女の姿に変わってしまう」 それではせっかくのお世継ぎとして生まれたこの子は役割を果たせない。 その場に居た皆が落胆した。 「それだけじゃない。問題は他にもある」 王妃の他は皆、真っ青な顔をして何か話し合いを始めている。 「月下美人の呪いをかけられた子が生まれた時、国にも大きな災いが降りかかるのだと聞いたことがある……」  
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