精一杯の言葉

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送信。      箱からタバコをまた一本取り出し、火をつけた。        これを吸いきるまでは起きていよう。      こんな時間にすぐに返事がくるとは思ってはないけど。      長くなったタバコの灰が自然に落ちるのを見つめながら、静かな時間が流れる。      不思議だ…    こんなに素直に想いを告げることができるなんて、今まで一度もなかった      タバコがフィルターのすぐ近くまで灰になりかけている。   手にもっているタバコの銘柄に目が止まる。         『Marlboro』? (マルボロ?)        「家に着いてからこれを吸ったら私のこと、思い出だしてくれるやろ?」    と笑顔で言いながら  俺のマイルドセブンの箱に入れた君の3本のマルボロ。      あわてて、灰皿の中の2本の吸殻も確認してみた。     『Marlboro』 と  『Marlboro』          そっか…         コイツのしわざか…     思わず笑顔がこぼれて、今日見た映画を思い出した。     今度こそ、君の見たい映画を一緒にみよう
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