7人が本棚に入れています
本棚に追加
来る間も話すことに夢中になり気づかなかったが、空はすっかり赤みを帯びていた。
「青花は…今日楽しかったか?」
「はい。とっても」
そう返事をした青花の顔は嘘の欠片も感じさせない笑顔だった。おそらく心からの本音なのだろう。
だからこそ…だからこそ聞かなければならないことがあった。
「それはよかった。けど…さ、その楽しさってのは他のやつらとの遊びじゃ得られないものなのか?青花にとってそばにいてほしい人間は本当に俺なのか?」
「はい。そもそも私が男の人と遊ぶなんて滅多にないんです。ほら、私内気な性格ですし…だから晴くんに近づいたのも珍しいくらいなんですよ?だから私は…晴人さんがいいんです。他の男の人なんて考えられないくらいに」
そう淡々と躊躇うことなく話してくる青花が、俺には今日1日の中で一番可愛らしく見えた気がした。
そして同時にようやく俺は気づいた。
俺も青花に惹かれていたことに。
最初のコメントを投稿しよう!