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この絵だけを切取れば親子。百歩譲って兄弟にみえるが、実際は恋人同士。彼岸もなかなか変態だと思うが、精蘭は変態越して鬼畜にならんか?
「ものすごーく楽しげな念波を感じるのですが」
やっべ、精蘭はそう言う勘も強いんだった。どうにかごまかさないと、ズタボロにされるのは目に見えている。
「お前等仲良いよな~と」
「当たり前です。私の最愛の人なのですから」
足にしがみついている彼岸を抱上げて頭を撫でる。精蘭が好きなだけか、彼岸が望んでるのかは知らんが、こいつ等は何時もこうして抱き合っている。本当、何も知らなければ平和な光景だけどよ、ちょい行き過ぎてるような気もする。単なる過保護の一言じゃ終らないぞ?
まぁ、お互い幸せそうな顔してるから何も言わないが、時々、精蘭が切なそうに見えるのは何故だろうか?
しかし、こいつ等何をしに来ているんだ? 俺から切り出さんと何も言いそうにないな。
「で、今日は何よ。あん時暴走しかけて俺ツラいんスが」
「そうそう。その時の報酬なんですけどね」
「はいはい。幾らよ」
「なしです」
「はい?」
えっと、まだ耳は遠くなってない筈だが、何かの聞き間違いだよな。
「だから、零です」
「な、何でだよ!」
別に食うのに困ってはないが、人が暴走覚悟で壊滅させたのに、報酬なし、は納得出来んっ。俺はボランティアで仕事してる訳じゃないし、それは精蘭とて同じだ。
「何で、て…説明しないと解りませんか?」
当たり前だ、と精蘭に食ってかかる。大抵は問答無用でタコ殴りにされるが、こういう時だけは精蘭も手を出そうとはしない。それを知っているからの行動だ。
仕方ないと軽い溜息をついて懐から茶封筒を取り出して机の上にそっと差し出す。
………お前は何処に何を入れているんだよ。男の胸倉見ても、ときめかんちゅーのに。
「見て戴ければ解ります」
左肘を机に付いて、手の甲に顎を乗せてニッコリと微笑みながら右手でソレを指し示すのだが、俺は眼が点になっている…と思う。一瞬思考が止まった。
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