第1章

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「だから、」 「雨は行くよね」 ジュウの言葉を遮って、雪姫は雨に話しかけた。 テーブルに身を乗り出した雪姫に問い詰められた雨は、数秒じっと隣に座るジュウを見つめてから、 「ジュウ様が行かれるのでしたら」 といつものように答えた。 「だってさ」 胸を張って自信満々に言う雪姫に、ジュウは溜め息を漏らしてから、 「だから、なんで、俺が、行く必要が、ある?」 一言、一言、懇切丁寧に区切ってジュウは答えた。 「え~、いいじゃん別に。円も今度の日曜なら大丈夫だって言ってたし」 円は雨と雪姫の共通の友人で、勿論ジュウとも面識がある。
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