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五章・警鐘の雨
その日に降っていた雨がやけに冷たかったのは
きっと終焉を迎えたからではない…
新たな人生のはじまりを告げるために違いない。
あの冬の日、私達は地位も名誉も…なにもかも失い
全てを奪われた。
「奪われたなら奪いかえせばいい」
「屠れ、卑しき血を…そして取り戻すのだ 」
その声が怨嗟の鎖となって私の心に絡み付く
だが、遅い…もう遅いんだ
私は…
私達兄弟は…
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