神の右腕

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  ノエルは我に返る。   今まで魔界軍を殺すこと以外考えていなかったから。     ノエルは辺りを見回す。   そこにあったのは―――。     バラバラに切り刻まれた魔物の死骸。   何らかの魔術によって魔物という形を咎めていない死骸。   そして、あたり一面に広がる血の水溜まり。     「コレ………全部俺が?」     やっとの思いで言葉を吐くノエル。   急に恐ろしくなったのだ。   そりゃそうだろう。 POWの1番隊隊長と言っても、まだ12歳の男の子だ。 そんな子供にとって酷な光景になるのは当然だ。     ノエルは拳をにぎりしめる。       だが、手がすべりうまく拳がにぎれない。   不思議に思い、ノエルは手を広げ見てみる。   そこには、赤い血がべっとりとついたノエルの手があった。
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