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「え…………。」
驚いた。
何か嫌なことが起こるような気がしていたが、まさかPOWからぬけろだなんて言われるとは思わなかった。
「理由なら隊員達にはうまくごまかしとくから心配するな。あとは、家……だな。どうする?家はPOWに入る前まで使っていたところを使うか?この際だから新しい家を買うか?
新しい家なら買ってやるから。それから………」
ハワードがどんどん話を進める。当たり前だが、俺はそれについていくことが出来ない。
「おい、ちょっと待てよ……。」
やっとの思いで発言する俺にハワードのきつい言葉が待っていた。
「何を待つんだ?」
「何をって……。そんないきなり『ぬけろ』っていわれても……」
俺はハワードを見ないで、床に広がる絨毯を見ながら、左右あちこちに視線を動かす。
「困るのか?」
「いや、だから……」
「困るのはこっちだ。」
「は…………?」
俺には理解できなかった。
何でハワードが俺がPOWにいると困るのか。
「お前………血が怖いんだろ?」
「……………!!!」
俺は何も言い返すことが出来なかった。それは紛れも無い事実だから。
「はっきり言う。今のお前はPOWにとって、ただの邪魔者でしかないんだよ。」
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