選んだのは貴方

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そんな日々を送っていると気付けば冬だった 「あれ?兄ちゃんは?」 「あぁ、風邪で休み」 「えっ?」 慌ててメールする 『大丈夫?』 『大丈夫!ありがとな』 そんなやりとり あたしは皆で何度も遊んでいたから兄ちゃんの家の場所も知っていた お見舞いに行こう!! そう思ったあたしは一人で兄ちゃんの家を目指した あたしの家とはまったく反対方向 反対行きの電車に乗ってあたしは兄ちゃんちを目指した 兄ちゃんちはいつも鍵がかかってない 昼はお父さんやお母さんがいてないことも知ってる だけどいきなり入るわけにはいかないから、家の前に着いてメールした 『お見舞いに来ちゃった☆』 兄ちゃんは二階から顔を出しておいでおいでってした あたしは兄ちゃんの部屋に行き、寝転ぶ兄ちゃんの隣に座り、その日の学校での出来事を身振り手振り話した そんなあたしの目を兄ちゃんの大きな手が塞いだ 「……?……………兄ちゃん??」 チュ… 「!?」 あたしの思考回路は緊急停止した 何…? 何がおきたの…? 兄ちゃんの大きな手があたしから離れる 兄ちゃんはつらそうな顔をしていた 「彼女がいるのに………他の女の子が気になるって…………ダメだよな…」 あぁ やっと やっと手に入るの…? 「ずっと同じ人を想い続けるのは難しいよ」 あたしはそう告げた 兄ちゃんはあたしを抱きしめて何度もキスをした 初めてのキスは 彼女がいる人だった
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