選んだのは貴方

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そんな生活を続けながら兄ちゃんたちは卒業していった また あたしの学校の楽しみが減ってしまった 二年のクラスは、知ってる子が一人もいなかった 泣きたい… 唯一救いは担任が変わらなかったこと でもそこであたしは学力学年トップの友達ができた 陽子サン ちょっと変わり者だけど、すぐ大好きになった。 一年のときよりも勉強するようになった 陽子サンに近づきたかったから あたしはその時の友達の色に染まる人間だった だから陽子サンが傍にいれば勉強するし 遊ぶ子だったら勉強なんかしなくなっただろう 嫌われたくないから無意識のうちに合わせる あたしが 生きて来た上で必須とした能力 ねぇ あたし、嫌われたくないよ? 兄ちゃんとは、学校帰りにあたしが兄ちゃんちに行くようにして会っていた でも疲れてきた あんな男の為にあたしは毎日電車賃を払って会いに行く 滑稽だ
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