- 手紙 -

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「はるか、早く早く~授業始まるよ!」   「おはよ!すぐ行く~」     桐島 遥(キリシマハルカ)。19歳。     この春から大学2年生。     「もぉ~遥ってば今日も遅刻ギリだし!また寝坊?」   …と母親みたいな口調の彼女は、親友の榎本 詩織(エノモトシオリ)。   色白でパッチリとした目とサラサラとした茶髪のロングが印象的な美人だ。   「ごめんね、最近かなり寝不足でさぁ…」   「また愛しのかずき探し?」   そう言って詩織はふぅと溜め息を漏らす。   「殆んど手掛かりも無いのに頑張るよねぇ…まぁ出来るだけ協力はするけどさぁ」   そう言って詩織は冷たいお茶の入ったペットボトルを差し出す。   「アリガト…」   私は力無く受け取り、大学まで全力で走って来た為に、渇ききっている喉を潤した。
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