- 手紙 -

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「やっぱ埋めるのは卒業式の後が良いと思うなぁ」   みっちゃんが提案する。   「私も賛成!卒業の記念にもなるし、この街で過ごした思い出の記念にもなるよね…」   私の言葉で皆少ししんみりとしてしまった。   私達は卒業したらバラバラになってしまう。   年々人口が少なくなりつつあるこの街には、中学校が無い。   いや、正確に言えば、隣街の中学校と合併してしまったからだ。   隣街には中学校が3つある。   私達5人はそれぞれ別々の中学校へ進学する。   私は第一中学校。   みっちゃんと駿は第二中学校。   光治は第三中学校。   そして和輝は…   父親の転勤で県外へ。   だから、皆でこの街で過ごす機会はもう殆んど無くなってしまう。   だから…   私達は決めたんだ。大好きな街と大好きな友達との思い出をタイムカプセルに詰めて埋めようって。
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