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いつも見てくれていないようで、見てくれているあの人は僕の大好きな人。
また遅刻しそうになって、慌てて起き上がる。
ご飯なんて食べていられない、ただ制服に着替えて鞄を持って走った。
あの人に会う為に僕は一生懸命走った。
校門が見えて来た。
沢山の生徒に混じって見えたのは僕の大好きな人
走ったせいか息が乱れながら、ゆっくり校門に近付きあの人を見ながら
「おはようございます」
と少し会釈してあの人の横を通り過ぎた。
「おはよう」
初めは目も合わせられなかった、挨拶すら返してもらえなかった。でも今は違う。
しっかり話してくれて、挨拶も返してくれる。だから嬉しかった。
ただそれだけで幸せで馬鹿みたいに舞い上がってしまう僕はおかしいかもしれない。
それにあの人は男だし、僕も男だから、あの人は僕の事変な奴なんて思っているかもしれない。
でもそれでも、変わらない好きな気持ち。
僕はこの気持ちを吐き出す術は無いです。
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