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「詩夢(しおん)また一番だったね」
廊下に張り出された期末考査の結果。
それの横を通り過ぎた僕に翔が話しかけて来た。
「うん。そうみたいだね」
翔の言葉に苦笑いで返し、結果が書いて有った紙に目を向けた。
二番は同じクラスの級長でいつもと変わらない。
こんな僕でも頭は良くて、教師からは優等生のレッテルを貼られて、周囲からは勉強が取り柄の奴って思われている。
運動苦手だし、あまり走るのは好きでは無い。
でも、それだけで昔ガリ勉とか根暗とかオタクとか言われてよく陰口叩かれて居た時期もあったな。
「また勉強教えてね」
思考を巡らせていた僕は翔の言葉で我に返り
「うん。もちろんだよ」
笑顔で返した。そして二人で笑って居ると、先ほどまで騒がしかった生徒が静かになり廊下の端へと寄り道を作る。
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