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でも何で呼ばれたのかな?考えても思い当たる節が無く。ふと周りを見ると視線が僕に集まって居る事に気が付いて、首を傾げ取り敢えず立ち上がった。
けど隣の席の翔が手を掴んだ。
「翔?」
「行くの?何されるか解らないよ?」
僕の手を掴んで居た翔の手は震えていた。だけど強い力が籠って居る。
「平気だよ。林先生優しいから」
僕は翔に微笑むが、離してくれない。少し困りながら見て居ると
「早く帰って来て、待ってるから」
やっと手を離してくれた。僕は頷き早足で教務室に向かった。
そこに恐怖などは無くてむしろ喜びに溢れて居た。だって、初めて名前を呼ばれて、呼び出されて、好きなあの人が居るから。
遠慮がちに扉をノックすると
「誰?」
「南です」
「入って」
その言葉を聞き失礼しますと中に入って、ソファーに座る相手に目を向ける。
やっぱり綺麗な人。僕の大好きな人。
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