プロローグ

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始業式- 全校生徒の集まる体育館で、新しく着任した10人の教師が一人ひとり挨拶をしていた。 校長先生が最後の1人を紹介する。 珍しい色だなぁ… 私はステージに立つその男性を眺めてそう思った。 赤茶色のジャケットにベージュのパンツ。 始業式ということもあって、黒や紺の服装が多い中、彼の赤茶色のジャケットは一際目立っていた。 正直、その当時の私は、先生という人たちが好きではなく、どうでもいいという気持ちでいた。 だから、彼が何という名前で、何を挨拶したのか、全然覚えていない。 私はただ、体育館後方からでもはっきりとわかるそのジャケットが印象的だった。 彼の挨拶が終わり、校長先生が 「…先生には、三年一組の担任をしてもらいます。」 と付け加えた。 そばにいる、新しいクラスメイトの誰かが、 「担任の先生だ。」 と囁くのが聞こえた。
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