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第五話~声
高校を卒業して手のアレルギー治療の為に半年間、仕事が出来ず家にいました。
そしてある日、父が仕事が休みだった時二人で話していた時の事です。
ふと、私の耳元で父とは別の声がしたのです。
始めは空耳かな…と思いつつ、父との会話を愉しんでいましたが…やはり空耳ではなかったらしく、耳元でまた声がしました。
幼い少女の声が。
『……~よ』
隣の部屋の住人は、母親と大学生二人…テレビも何も付けていない部屋で、しかも耳元で声がするという状況はまさか…と思いつつも父に尋ねました。
『今小さい女の子の声、しなかった?』
『ん?何も聞こえなかったけど?』
しかし、また少女の声が聞こえました。
今度はハッキリと……
『遊ぼうよ』
案の定、私にしか聞こえていない声でした。
日頃、心霊体験をしていたので『またか…』と思いつつ、その声を無視してその日は終わりました。
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