死と友人

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春木は何処か抜けていた、どうせ今回も行き当たりばったりな計画で行くんだろう。 「で、どうゆう風に誘うんだ?」 「あ、それそれ」 ポンッと手を叩き春木はまるで零が大仏か何かのように手を合わせた。 「頼む!!俺と水無だけで行っても必ずボロが出るだろうからブレイン兼フォロー役として協力してくれ!!」 「……ブレイン?」 「どうせ俺が考えた計画じゃ水無はガッチリ来ないだろうからデートプラン考えてほしいんだ」 一応自覚はあったようだ、まあ協力してやらんでもないが彼自身の事を考えてここは断るべきだろうか。 「頼むよ~マジ、今度昼飯好きなもん奢ったるから!!」 「……よしきた」 この頃は自炊の毎日だったのでこれはありがたい、離婚寸前の夫婦の息子は何かと立場が悪い。 中学三年の頃なんて、まるで見ず知らずの他人同士の冷えた関係の夫婦に見えた。 ある事件で空虚になってしまった母とそれに腹を立て外で女を作る父。 夫婦とはそのようなものなのだろうか、思春期云々はともかく当時の俺は人を愛するとゆう事がよく分からなかった。 だから、俺が水無と付き合ってると勘違いされていたのは意外だったし、奢りを差し引いてもその未知の領域に足を踏み入れる春木を何と無く応援したくなってきた。 「んじゃデートプラン早速一緒に考えてくれ!!昼食は~……」 「それより映画を他のに変えとけ」 「え~、それは無理」 「何故?」 「俺が見たいから」 「………」 「何ボーッとしてるの、映画終わったよ零の字」 ハッとして起き上がるともうスタッフロールも終わり代わりにゴミ回収協力の広告が目に入った。 微睡みの中にいたような感覚だ、頭がボーッとして……もしかしたら寝ていたのかもしれない。
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