視界と幽霊

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夏休みを迎える全国の高校生の前に立ちはばかる期末テストとゆう名の悪夢。 何時もの喧騒が3割は無くなるテスト前の中休みを彼は机に頬杖をつきながらボーッと眺めていた。 プリントに目を通して最後の暗記に勤しむ者や最早諦めて友人と談笑する者。 一緒に勉強しようと言い結局は会話ばかりであまり勉強しない者や、前日徹夜したのか机に突っ伏して寝込む者等様々だ。 そんな騒ぎとは無縁のささやかな優越感に彼、柳零は大あくびをしながら薄く笑った。 別に何週間も前から猛勉強してた訳でもないし、確実かつ完璧な手段のカンニング手段がある訳でもない。 「はい悪あがきはやめろガキ共~、所詮予習復習或いは私並のカンニング技術を持つ奴にゃかなわないんだよ~」 妙に間延びした軽い声と共に教師の中田先生が入って来た。 まだ若い女教師だが、教師あるまじき愛煙家で元不良とゆう噂がヤンワリとたっている。 そしてカンニング技術のプロ及びカンニング発見のスペシャリスト。 自身の長けているカンニング技術を元にありあらゆる手段を見破り中間テストの時等生徒に宣戦布告をし見事一年224人中27人を血祭りにあげたまさに鬼神である。 とゆうか、これだけカンニング者がいたのには驚きだが200人以上いるんだから別におかしくはないかもしれない。 いや……さっきカンニング手段を用意していないと語ったがある意味俺も立派なカンニング者か。 「また相変わらず余裕だな~柳~、お前が悪い点とったなら有無を言わせず生徒指導室連行出来るのに」 また包み隠さず本人の前で堂々と言う人だ、だがまあそう言われても仕方ない髪なのだが。
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