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だが基本誰にもそれ等は見えていないので基本俺が恐怖の対象に祭り上げられてしまうのだろう。
……だがまあ、俺には何故か見えてしまう。
見えてるだけならまだしも触れもするし話しも出来るとゆう逸脱っぷりだ。
昔は困ったものだが今はその能力をフル活用させてもらっている。
『お~い間に合ったぁ?』
後ろから間延びした寝惚けたような声が響いた。
肉声とはまた違う筆舌しにくい違和感、やれやれとため息をついて零は立ち上がり階段の踊り場まで歩いた。
次がテストでもうすぐ時間だ、廊下を徘徊する生徒はいてもわざわざ階段の踊り場まで来る生徒はいない。
「憑りついてる分際で何処までほっつき歩いてたんだ?」
『いや~ちょいっとばかし暇だったもんでさぁ、間に合ったからよしとしようぜぃ』
そう言いながら彼女はウインクをして親指を立てた。
彼女は近藤あやめ、享年17歳の成り立て幽霊。
黄色い髪の毛を後ろに纏め、白いシャツに黒いジャケットを羽織った憑依霊だ。
成仏しそこねたらしくこうなったら成仏しないで永遠に地上に残ってやろうと決意した自称永遠の17歳(強ち間違いでもない)。
基本幽霊は死んでから45日で気力的な物を使い果たし消えてしまう、俗に言う……多分成仏だろう。
希にさっきの二人のように特別な理由で残る事もあるがそれでもそのうち消えてしまう。
彼女はそれに抗う為にいろいろ試したらしくしまいには俺に憑依する結論に至ったようだ。
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