63人が本棚に入れています
本棚に追加
『――うっ……』
……さ、寒い。
昨日、窓開けっ放しのままで寝ちゃったのかな。
ベッドも凄く冷たくなってるし……。
今何時だろう。
時間を確認するために身体を起こし、目を開くと……
そこは見渡す限り真っ白な世界でした。
『……』
あ、ありえない……。
だって私が寝たのは、家だったはずっ!!
なんで私、外で寝てるのよ?
おまけに雪まで降ってくれちゃってるし!
今の季節は秋よ!?
ありえないから普通に……。
『そ、そうよ!夢だわ』
目をつぶってもう一度目を開けたら違うとこになってるに違いない。
起きた瞬間、寒かったのは気のせいよっ。
信じたくない気持ちが勝って、思考は変な方向にいくばかりだった。
でも、もしかしたら夢かもしれない……。
ぎゅっと目をつぶって淡い期待を持ちながら、徐々に瞼を持ち上げる。
……が、当然のように何の変化もなく、辺りは未だ白い世界のままだった。
確認ついでに自分の頬を摘んでみたが、やはり痛みを感じる。
……そうよね。
だって、さっきからずっと寒さを感じてたんだもの。
この寒さは本物で、これが夢じゃないってことは、頭のどこかしらで薄々気づいていた。
結局この確認のおかげで、自分に決定的な事実を突き付けるはめとなった。
.
最初のコメントを投稿しよう!