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『――私ここで死ぬのかな……』
誰にも気づかれず一人ぼっちで。
そう一人ぼっち……。
一生見つけられることもないまま、死んでもずっと一人ぼっち。
『――お母さんとお父さん、今頃心配してるよね……』
いきなりいなくなったから家出人扱いで警察に届けでも出してるかな。
とんだ親不孝者だよ、私。
今まで迷惑を掛けるだけ掛けていなくなっちゃうなんて……。
私一人っ子で、凄く大事に育ててもらったのに、恩返しもできなかった。
当然、学校でも大騒ぎになってるよね。
『千春……どうしてるんだろ』
思い起こされるのは幼なじみの千春。
昨日別れる時に、また明日って言ったのに……な。
初めて約束破っちゃった。
『……』
ずっと歩いていた疲れからか段々と眠くなってきた。
こんな所で寝ちゃいけないってわかってるから、さっきから立ち上がろうとはしているんだけど、身体が言うことを聞いてくれない。
だからうずくまりながら眠気と一生懸命闘ってはみるものの、正直負けちゃいそう。
すごくぼーっとするし、気を抜けばいつでも意識持っていかれちゃう……。
だから、ざっ、ざっと雪を踏み付けながら自分に近付いてくる者がいることに、気付きもしなかった。
「――#※……¥∴§*£¢!!!」
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