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「きみは、この子を食べてみたくないのかい?」
と吸血鬼は少年に言った。少年は少女を見た。
……あまりにも美味しそうに見えたので驚いていたが…
「いや、別に食べてみたいとは思わないよ。」
と少女が怯えていたのに気づき冷静になって答えていた。
「じゃあ、邪魔をしないでくれないかい?」
と少年に言った。少年は…
「いや、そうはさせないよ。」
そう言った瞬間3秒もしないうちに少年はその吸血鬼を殺してしまった。
「ヴっ…おぼえてろよ!」
と言って吸血鬼は倒れた。
「……キャーー!!」
と少女は悲鳴をあげ目は綺麗な水色から赤い目になり泣き叫んで氷の粒子を飛び散らして部屋が一瞬で凍ってしまった。
「大丈夫だよ、怖かったよね、ごめんね。」
そう言って少年は少女を抱き寄せて暖かい心で包んでくれた。少女は安心したようでいつの間にか泣きやんで、目も戻り氷も溶けていた。
「きみの名前は?」
「……名前?……名前は蒼(あおい)。」
とまた泣きそうになりながらそれ以上話さなかった。
「それじゃあ、ある人の家に行こう?」
「…………だ、……大丈夫?」
と小声で言った。
「大丈夫だよ。行こう?」
少女・蒼は黙っていたが少し考えウンっと頷き、ついて行くことに決めた。
「良かった…。大丈夫だからね。…まだ名前言ってなかったね。僕の名前は一条拓麻。拓麻って呼んでいいからね。」
「……たくま?」
「そうだよ。よろしくね蒼ちゃん。」
そして少女・蒼と一条はある人の家へと向かった。
→第二夜へ続く
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