嘘の中にほんの少しの本当を混ぜて

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いつだって一直線で、なんやこいつ阿呆やなぁ、そうとしか最初は思わんかった。 嘘の一つもつかれへんかって、どうやってこの世の中生きて来たんやろ。 ぽちみたいに騙されたんやろか。好奇心は相手への興味へとあっと言う間に様変わりした。 それから何故か一緒に旅をするようになって、そんな阿呆に惹かれている自分に気付いた。 …………オレは偽り人や。 この世の中、嘘なしじゃ生きられへん。 けど馬鹿正直に生きるってものそれはそれで大切で、やから多分、オレはアイツにどうしようもなく焦がれたんやろう。 嘘なしじゃ生きられんオレと、絶対に嘘をつかんアイツ。 自分にないものほど人間欲しなるゆうけど、どうもそれはホンマらしい。 んでそれは、オレの場合は確実に手に入らんもんと来た。 なんかごっつ腹立つ。 やからオレは嘘をついた。 人生最大の嘘を。 「なあ薬馬ー」 「? なんだ」 「好きや」 「……………は?」 「きゃー、空さんが告白しましたー!!」 「ちょ、ぽち黙っとりぃ」 「……………は?!」 あ、顔真っ赤になった。 ほんまからかいがいのあるヤツやで。 「ってゆーのは嘘や」 「なっ?!」 「きゃー、嘘の告白でしたー!ボクドキドキしちゃいましたー!!」 「アホ、なんでお前がドキドキしとんねん。って、あれ、薬馬ー?薬馬くーん?」 「…………お前っ!!!」 「きゃーっ、薬馬さんがご立腹ですー!!」 「空さん、ボクのマネをしないで欲しいですーっ」 「ふざけんじゃねぇっ!!」 「あはは、騙される方が悪いんやろーっ」 当然嘘、っつーのも嘘やねんけど。 それも騙されんのが悪いんやで? 嘘の中にほんの少しの本当を混ぜて、 伝えた想いよ、キミに届くな。 (でないと嘘ついた意味ないやろ?) ■□■□■□■□ 小四郎くんの口調がわかりません。← 空の口調はなんとかなった気もするのですが………。 あ、書いてて一番楽しかったのはぽちです(笑) …しかし、結局何を言いたかったのかさっぱりですね(苦笑)
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