近衛兵─1

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   だがそれさえも、既に過去の話。光流が龍神谷の手に落ちたという現実が、今ここにある。  光流はあくまで囮。 「そう、光流様は囮なんです」  花鈴は繰り返す。 「龍神谷の狙いは、おそらく別のところにある──」 「このような場所でお昼寝ですか、司」  分かっているなら声をかけないでほしいと思う。溜めていた仕事を終わらせて、ようやく眠る事ができたのだ。神楽殿は司のお気に入りの場所であり、よく昼寝をしている事は誰もが知っているはず。  
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