カ ミ カ ク シ

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バアちゃんが慌てて言う。 『ま まぁ! 一生部屋から出てこない訳じゃないのだから 大丈夫よ。』 さぁ片付け 片付けと言って皆が動く。 千歳も洗い物をする。 皆が居間から出て行った後も 千歳は、まだ洗い物をしていた。 そこに サナーが来た。 『お前…分かってるだろ? 太陽ちゃんの気持ち』 あぁ。 何て言えない 俺は、それに気づいちゃいけないんだ。 『へ? 何の気持ちだよ? 俺知らねーよ。』 キュッ と蛇口を閉めて水を止める。 『もぅ。 いいんじゃないか? 太陽ちゃん見てても可愛そうだ。 そろそろ答えてやっても…』 千歳がサナーの言葉を遮った。 『ふん… アイツは、まだ泣いてる。 後で 謝りに行くから』 アイツの気持ちを聞いたら…抑えがきかなくなる。 太陽の事が…好き…だと言う気持ちが…抑えがきかなくなる 誰にも 知られたくないんだ この気持ち。 アイツは、 俺の 従妹なんだ。
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