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「そうさ!いろんな土地を流れ、流れて……それで今は、しばらくザールブルグに腰を落ちつけてるってワケだ。よろしくな!キミ達も、あの街に住んでるんだろ?」
「は、はい……」
ルーウェンの大きな声に圧倒されつつも、シアは質問に答えるように頷く。
「ふーん、そっか……でもどうして、こんな場所を二人だけでうろついてるんだ?」
矢継ぎ早に質問してくるルーウェンに、マリーも負けじと切り返した。
「あ、あなたこそ、ここで何してるのよ?」
「オレ?ああ、オレはもちろん!盗賊達を探してるのさ!」
「盗賊!?」
マリーとシアは、思わず顔を見合わせた。
「え?まさか知らないとか……」
ルーウェンは驚いた顔をした。そのあと、マリー達に「ザールブルグの街では噂になってることを知らないのかい?」と、二人が世間に疎いのをひとしきりに笑い、十分にマリーをムッとさせたうえで、得意気になって教えてくれた。
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