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ドナースターク家の紹介で、この王立魔術学校『アカデミー』に入学した十四歳の少女、マルローネのことだ。
どことなく抜けてそうな顔をしており、性格は温厚かといえばそうではなく、がさつで、慌て者で、集中力の欠如した、学問には不向きなタイプだった。
悪い予感はしていたが……やはり、とイングリドは思った。
そして、イングリドの予想通り、マリーが薬品の調合に挑んでいた実験室は黒煙がもうもうと立ち込め、天井には大きな風穴が開いていた。
中には全身が黒く煤だらけとなった女生徒が一人、目をぱちくりさせながら立っている。
実験室に駆けつけたイングリドは、その煤だらけのマリーに聞いた。
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