296人が本棚に入れています
本棚に追加
「…恋って難しいもんだよね?」
ぼーっと買い物している人の群れの方に視線を泳がせながら私はポツリと呟いていた。
「…なに、唐突に?」
ほんの少し驚いたような表情で携帯からこちらに視線を移し冬香は聞き返す。
「…え?…あぁ、ちょっと考え事してて。
‥冬香はそんなふうに思ったことない?」
聞こえていたとは思わずちょっと動揺したが、今度は冬香に向かいきちんと尋ねてみた。
「…な~にそれ?…ああ、そういうことか。」
そう言った冬香の顔を見れば意地の悪い笑みを湛えている。
最初のコメントを投稿しよう!