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「あの…一つ聞いて良いですか?紅葉と琴美さんは霊感があるんですか?」
恐る恐る一番気になる事を聞いてみると琴美さんは紅葉と並ぶように座りニコニコしたまま口を開いた。
「私と紅葉は霊感が強くて幽霊という類が見えてしまうんですよ~私の母が霊感が強かったので遺伝子のいざこざで私も紅葉も幽霊という類が見える持ち主になってしまったんですよ~と言っても私は見える訳では無くて感じるくらい何ですけどね~」
いきなり霊感が強いと言われて信じるって言う人は世の中に俺くらいしかいないだろう。
と言う事は琴美さんは感じるくらいの霊感で紅葉は見えてしまう程に霊感が強いのか…和奏はどうなんだろうか?
「和奏は……どうなんですか?」
「和奏には霊感はありませんよ~」
そうか…良かった。もし和奏に霊感があったらあいつ一生苦労するな。
「おい…お前の中にいる霊は…悪質じゃ無いけど…ほっとくと…体保たなくなって……死ぬ」
不吉な事をあっさりと言い放った紅葉は俺の事なんてどうでも良いんだな。
顔も歪めず無表情で言い放ったから…絶対心配してないな。
「俺は……どうすれば?」「大丈夫……私が明日……おい祓ってあげる……お前が死んでも…誰も悲しまないけど……お姉ちゃんが悲しむ…」
最後なんて言ったのか良く聞こえなかったが誰も悲しまないのは結構寂しいな…まあ助かるなら安心出来るけど明日までこの体のダルさが続くのか…はぁダルっ
「それでは私達は…戻りますね~翼くんはゆっくり寝ててください。」
琴美さんと紅葉は襖を閉めて完璧に一階へと戻っていった。いきなり一人になると不安になるがよく考えてみると、「お身体をお借りします」って頭の中で聞こえた。
何故あの女性は俺の体に取り憑いたのだろうか?何か未練でもあるんだろうか?
考えても仕方ない。今日は我慢して明日紅葉にどうにかしてもらおう。
三日後は和奏に告白しないといけないんだからな……
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