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学校の校門前に着くと何を企んでるのか嬉しそうに二人仲良く横に並んでる三条と良之の姿があった。
「何のようだ?」
「私は神だ!」
良之は何が言いたいんだ?まさか自分のネタを見せようとしただけか?後悔ってネタが見れなくなるって事なのか!
「帰る……」
「ちょっと!嘘嘘!待てよ翼!」
「んじゃ何のようだ?」
これで対した事無かったら俺マジギレすんぞ。
「まあまあ…俺は神様だ!神とはなんだ!」
「人知を超えた存在として畏怖、崇拝され,信仰の対象となるものだ」
「まあ…詳しくありがとう!」
「んで!何が言いたい!」
こいつと関わってたらイライラが募るだけだ。早く帰って寝たい。
「そうイライラするなよ翼ちゃん!まあ簡単に言うと俺は神だ。お前の願いを一つ叶えてやろうと思ってな!」
何かと思ったら…また馬鹿な事を言いやがる。
「願いか…俺がお願いする物は重いぞ」
「まあ!良いから言ってみ!」
「そんなん……決まってるだろ…和奏に会いたいよ」
良之は俺の願いを叶えてくれると言うのか?もしこの願いを叶えてくれたならお前を神として称えてやろう。無理だと思うがな。
「おおっ!和奏ちゃんに会いたいのか?つかお前は和奏ちゃんの事どう思ってんだ?」
「どうって…好きでたまんねぇよ…今すぐにでも抱き締めたい」
すると良之はニヤッと笑い俺に意味不明な事を言ってきた。
「お前さぁ~?本人の前で良くこっぱずかしい事言えるな?」
「はっ?」
「良し!お前の願い!叶えてやるよ!三条!」
「はい!」
良之と三条は顔を見合わせると一歩横に移動した。
俺は目を疑った。幻覚なんかじゃない。
風で靡く栗色の長い髪、秋北高校の制服を着た少女が俺に微笑んだ。
まさしく…それは
「和奏……!」
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