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「ただいま~」
やっとの思いで家に着くと玄関前で俺はぶっ倒れた。
「ちょっと翼!大丈夫!」
俺の異変気付いた和奏がリビングから出て来て俺に近付いてきた。
「ヤバい…体重くてダルい」
「熱は無いみたいだけど…」
和奏は俺の額を触るがどうやら俺の体のだるさは熱からくるだるさじゃ無いみたいだ。
俺は和奏の肩に掴まりながら力無く自室へと向かった。
「翼!しっかり歩きなさいよ!重いじゃない」
「すまん……体が重くてよ…」
「本当にどうしたの?翼らしくない…」
心配そうに俺の顔を覗き込む和奏、俺は心配させまいと自分の力で足を動かしたがどうにも力が入らない。
「と、とりあえず!部屋に戻ったらお母さん呼んでくるから!」
「あ、ああ……悪いな……」
和奏の肩を借りながら自室に向かってるといつもの階段が凄く長く感じた。
和奏も頑張って額に汗を浮かばせながら俺を必死に運んでくれた。
そして階段を登り終えると俺の体は完璧に力を無くし全体重を和奏にかけてしまった。
「ちょっ!翼!重い~!」
必死に俺を支えるが足に力が入らない。一体どうしちまったんだよ俺。
「おい…お前…」
後ろから声がして俺は後ろを振り向くと紅葉が俺を睨みながら立っていた。
「な…なんだ?」
「お前の中に……何か嫌な物……感じる」
おい…怖い事言うなよ…でも俺は今そんな状況じゃない。とりあえずどうにか自室に戻った俺は和奏に布団を敷いてもらい布団に潜り込んだ。
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