8月6日7日8日 俺とメリーさんの不思議な3日間

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「ああ~だりぃ~」 「熱は無いようですわ…でも一体どうしたのでしょうか?」 夕方、結局和奏があの後琴美さんを呼びに行ってくれたのだが、どうしても仕事が空けられなかった為に夕方まで待たされるはめに…しかも琴美さんでも分からないとなると俺はどうすれば良いんだ? 「とりあえず、今日一日様子を見てみましょうか?翼くんの容態が良くなかったら明日お医者さんを呼びます。」 「はは…すんません…迷惑かけて」 琴美さんと隣にいる和奏は部屋を出て行ったが、紅葉だけがボーっと突っ立ったまま俺を睨んでいる。 「お前は……病気じゃない…」 ひぐらしのなく音の中に紅葉の声が頭の中に響き渡る。 「ど、どういう事…だ?」 「お前……今日妙な事…起きなかった?」 妙な事…あっ…まさか、あの女の人か? 「そういや…今日投げ込みしてる時……変な物を見た……怖くなって逃げたら…女の人が立ってて…スッと消えたと思ったら、頭の中に声がして……それから、体が重くて」 俺はやっとの思いで声を振り絞った。このダルさはインフルエンザで熱が上がった時よりも二倍はだるい。そういや、病院でインフルエンザか調べる為に鼻に入れる綿棒みたいなやつ…あれ痛くないとか言ってめっちゃ痛いんだよな…ってどうでもいい話だな。 紅葉はハァっと溜め息を吐くと俺に近付いてきて俺の目の前に正座で座った。 俺を見下ろす紅葉の瞳が凄く恐ろしく見える。一体何をするつもりなんだ? 「お前は信じ無いと思うけど……お前は幽霊に取り憑かれてる…」 やっぱり…薄々感づいてた。朝の声、妙な寒気…青白い手…信じたくは無いが、俺は幽霊に取り憑かれている。あの女性の霊に…… 「あらあら~?やっぱり取り憑かれてましたか~?薄々そうだと思ってたんですよ~」 いきなり戻った筈の琴美さんが襖から顔を出しニコニコとそう言ってきた。 たくっ…紅葉は見えてて琴美さんは感じるのか…全然意味が分からねぇ
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