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『私を…もう一度あの人に…逢わせて下さい…お願いします。』
「うわっ……!はぁ…はぁ…あれ?体が重くない?それに……何だか変な夢を見た…」
俺は変な夢から目を覚ました。
何故か女性が悲しげに部屋の窓から外を眺めている夢…
でもその夢が俺にとって凄く悲しく、酷い夢なように感じた。
「あっ…俺、泣いてたのか…」
妙に目元が痒いと思ったら俺は涙を流していた。
まさかとは思うが…あの女性があの夢を俺に見せたってのか?なら何故俺なんかにそんな夢を見せたんだろう?
「まっ…いいか…明日には紅葉が追い払ってくれるんだし!寝るか」
俺はもう一度布団に潜り込み眠ろうとした瞬間だった。
『良く無いですよ!寝ないで下さい!』
いきなりの声に俺は飛び上がり周りを見回したが何もいなかった。
いや…声って言うよりか…脳裏から聞こえたような?
「あの…誰ですか?」
誰も居ない部屋に俺は語りかけた。
『あっ…申し遅れました。私、あなた様に取り憑いた幽霊さんです♪』
また頭の中に声が!変な感じに頭を押さえた。
「えっ?あっ…じゃ、じゃあ、朝のあれっすか?」
『はい!あなた様の体が一番共鳴出来たんで取り憑かせて頂きました』
はは…勝手に取り憑かれても困るんだが…つか消えろ!頭に変な感じがする!
『あの、思ってる事が丸聞こえ何ですけど』
あっ…左様でしたか?これは失敬…んであんたは何故俺に取り憑いたんだ?
とりあえず事の事情が全然分からない俺はお化けさんに色々聞いてみる事にした。
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