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騎士団誕生
交通量の多い道から少し入った場所にある住宅地に面したバス停の朝
「ちゃんと並んで下さい」
「あぁ~?どっかから声がきこえるなぁ~」
小学生がバス停の順番に割り込んだ男に注意している。
回りの大人は知らん顔。
1人のお婆さんは。
「お嬢ちゃんいいから、みんな乗れるんだからね!怪我したら大変だからね!」
「婆さんの言う通りだよ、お嬢ちゃんみんなバスに乗れるんだからね!おとなしくしてろや」
と男は小学生の女の子の頭を撫でる。
その手を払いながら小学生の女の子は。
「乗れる乗れないじゃなく…」
と言いかけた時お婆さんが小学生の口を手で覆った。
「もう良いからバス来たし」
そう言って小学生の女の子を後ろから抱えた。
バスが到着してみんな乗り込み何事も無かったようにバスは離れバス停はいつもの顔に戻った。
そしてバスの一番後ろの席では目に涙を貯めて口を一文字に閉じ悔しがる小学生
そして前列のシルバーシートには。
なにくわぬ顔でバスに乗っている割り込み男
「次は日の出小学校前、日の出小学校前お降りの方は…」
「あ!降りなきゃ」
小学生の女の子は
窓際の押しボタンに手を伸ばしてボタンを押した。
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