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「まあ今日は、日も落ち辺りは暗い
旅立ちは、明日の朝にしてゆっくり休むと良い」と星王は言うと、三人の床を用意した。
三人は眠りについたが、しばらくしてゼータだけは中々寝付けずに外へと出ていった。
すると、それに気づいた星王が「寝付けんのか?」とゼータの後を追うように外へ出てきた。
「ええまあ
少し考え事が………」とゼータはなにか思い詰めた表情で答えた。
「そうか、私で良ければ、話ぐらいは聞くぞ」と星王は、ゼータの肩を軽く叩いて言った。
少しの沈黙の後、覚悟を決めたかように「俺にこの世界を守れるだけの力が果たしてあるんだろうか?
倒しても、倒しても現れる強敵
強がっては見たものの、俺はもう戦っていく自信がない………」と普段は冷静で気丈な振る舞いをしていたゼータであったが、この時初めて涙を流しながら弱音を吐いていた。
「いくら世間から、英雄と奉り上げられても、実際はまだ子供、少年の肩に、この世界の命運を委ねるのは、少々酷であったか………
この現実を受け止めるには重すぎるな」と星王は、自分もゼータに期待していた気持ちとゼータに頼らざるを得ない己の非力さが混じり合い、ゼータの思いを聞いて胸が痛んでいた。
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