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「戦い漬けの日々を送り、花を愛でる余裕さえなくなっていたのだな
一人の少年を危うく壊してしまうところだったのかもしれない
相当苦しみ、悩んでいたんだろうな
しかし、自分への期待もゼータは知っていた
だから弱音は吐けないと自分で自分を追い込んでいったんだな」と星王もまた淡々とした口調で話を続けた。
「そうですね
ゼータは、あちらの世界では、自分が倒れるまで戦い続けました
我々を守るために、必死に傷つきながらも、戦ってくれました
そんな彼の苦悩を気づいてあげられなかった
いいえ、我々大人が気づいてあげるべきだったのです
だけどゼータならこの苦悩をも乗り越え、必ずやりとげてくれるはずです
私はそう信じてます」と聖母龍は、はっきり言い切った。
「今は、ゼータを信じるしかないだろうな
私も彼ならやりとげてくれると信じている
そこで、聖母龍よ頼みがある
この先、旅を続ける上で、ゼータの精神的な支えとなってはくれないか」と星王も自分と同じ考えを持つ聖母龍に頼み込んだ。
聖母龍も快く引き受け、二人は眠りについた。
そして夜が明けた。
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