第一部~目覚める英雄~

4/7
前へ
/204ページ
次へ
「いまさら隠す必要もないだろう」と長老はゆっくりと口を開き、話しを続けた。 「あれは、今から何千年前もの遥か昔のこと、この星に人間が誕生した頃、空には龍が飛び交い、それを神と崇めていた時代 その頃、この星は神々が住む天上界、我等人間が暮らす人間界、そして魔物が住む魔界の三つに世界が分かれ、世界はお互いに均衡を保っていた そんな中、魔界の王が良からぬ企みを持ち全ての世界を支配し、この星の王になろうと争いを持ち掛けたのだ それを知った神々と龍の一族と、聖戦士と呼ばれる武術、剣術、魔術に長けた者達が集い、魔界の王との一大決戦が始まった その戦いは何百年と続き、数で勝る神達が優勢ではあったが、魔界の王の力は強大で倒すことは不可能と悟った神達は魔界の王の力を八つに分けこの遺跡に封印した 神達は我々亡き後の世を危惧してか、神と龍が力を合わせ作り上げた一人の英雄を人間界の聖なる地へと封印し、未来に托した その後神達も傷つき、眠りについた 聖戦士達も再び世が荒れる事を心配し後継者を育て後の世に残すことにした 龍の一族も何れ来るであろう再戦の時に向け英雄の武具を作り、それぞれ元の生活へと戻っていき平和な時代が幕を上げた これが世に伝わる神話の全貌だ」と長老は話した。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加