誘惑

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もう俺は俺を止めることができなくなっていた。頭では、わかっている。コイツには彼氏がいる。五年も付き合っていて、なぜか俺はその彼氏に信頼されている。俺とコイツがこんなことになるなんて、夢にも思わないだろう。 どんどんとエスカレートしていく俺。頼む、頼むから止めてくれ。明日の朝、おまえの泣き顔なんか見たくない。でも、おまえが欲しい。どうにかしてくれよ、この欲望を… 俺の手が、コイツの腰に触れた時だった。 「いや………」 やっと、俺の動きが止まった。でも、まだ体がウズウズと言うことを聞かない。 「ぽんちゃん以外は…怖い…」 そう言って俺にしがみついた。俺はこの言葉で、元の冷静さを取り戻した。 「うん…ゴメンな」 俺はそっと優しくコイツを抱きしめた。フワリと、いい匂いがする。また体がうずきだす。 「しないから…キスだけ…」 俺はまた何回も何回もコイツにキスをした。 時おり、コイツからも俺にキスをしてきた。 そして、いつしか寝てしまっていた。
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