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 朝の光がカーテンを染めている。  千鶴は早くに起きて、もう浴衣姿で私の煙草を吸っていた。  私が起きたことに気づくと、声をはずませた。 「朝風呂いきませんか?」  そう言って、フロントへ貸し切り風呂の予約を入れた。普段なら予約は前日までにということだったらしいが、こんな大雪の時期は当日でも予約ができたそうだった。  私も浴衣に袖に通し、眠いまま千鶴に連れられて風呂場へ向かった。 「わあ、けっこう広いですね」  彼女はタオルで前を宛がいながら先に浴室へ入った。  こんな展開にいまだに戸惑っていた私は、鏡に映る自分の顔を見ながら顎先に手を触れた。  昨夜の出来事がまるで夢のようだった。それは、起きたときに筋を思い出せないような感覚に近かった。まだ、夢の続きを追っているのかもしれない。 「早く来てください」  千鶴の声で我にかえった。 「ああ」  きっと、千鶴が裸を見せることに躊躇しない、性に対して恥じらわない姿が昨日の出来事をなかったようにさせた。そして、自分が彼女に何の影も落としていないかと思うと一抹の不安を感じた。
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