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いやぁ…
取り越し苦労でしたな。
『本当、芳賀くんには感謝してるのよ~』
『いや、僕は何もしてないっスよ』
『いやいやいや!あの沙紀が友達と遊ぶようになったのも、きっかけくれたのは芳賀くんだと聞いていたよ。』
沙紀の両親にさっきから感謝されまくりで…
どういう伝え方してたんだ…沙紀さんよ。
テーブル挟んでご両親と向かい合う形でソファーに掛けてる。
『でも芳賀くんモテるんじゃないの?いいの?彼女がうちの沙紀なんかで』
『……』
隣に座っている沙紀が一瞬不安そうな顔をした。
そんな顔する必要ないのになぁ…
『沙紀さんが好きなんで。沙紀さん以外とお付き合いするつもりはないです』
ここはズバリ言い切って沙紀にもご両親にも意思表示しとこうと返したら
『そこまで言い切られると嬉しいやら妬ましいやらだなぁ…』
って親父さんに苦笑された。
『芳賀くん、よかったら今日夕飯も食べていって』
『え!?そんな悪いですよ!』
『いやいや、是非食べてってくれ!ほら、この家女しか居ないから母さん作り甲斐がないんだよ。』
『へ…?』
『…魅紀ちゃんとかダイエットって言って残すし、お姉ちゃんもそんな食べる方じゃないから作っててつまんないんだって』
補足するように隣から沙紀に説明された。
『だから遠慮なく食べてってちょうだい!』
下ごしらえ始めなくちゃ!って…すっげえやる気満々で沙紀のお母さんキッチンの方に行っちゃった。
『若い男の食べっぷりに憧れてたらしくてね~芳賀くんが来るって聞いた時から母さん楽しみにしてたんだよ、悪いけど付き合ってやってくれないかな』
苦笑しながら親父さんに頼まれた
『食べる事は大好きなんで、ではお言葉に甘えてがっつり頂きます!』
『ははは!芳賀くん、面白いなぁ!成人したら酒交わそうな!』
『…は……』
『お父さんの夢なのよ~!息子とお酒飲むの!残念ながら息子は生まれなかったんだけどね~』
キッチンからお母さんが会話に入ってくる
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