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不思議系美少女が空から降ってきたり、ツンデレ美女の同級生と同居するようになることが、とても非現実的で有り得ないということは流石に理解している。
僕は読み終わったライトノベルをとじると、小さくため息をついた。
でも……どうしても非現実的なことを求めてしまう。
毎日毎日が平凡で単調、ただ学校と自宅の往復を繰り返すだけ。
そんな生活から抜け出したいはずなのに、自分ではどうすることもできずに、こうやって非現実的な何かが起きるのを待っている自分がまた嫌になる。その上厄介者が転がり込んできて以来、ストレスばかりが募っていた。
「ご主人、また妄想してるの?」
「いいだろ、お前には関係ない」
声をかけられベッドに目をやると、まるで我もの顔でくつろぐ少女。可愛らしい顔だちで、艶やかな黒髪にはチョコンと猫耳がついている。
「……かまってよぅ」
「やだ」
三日前に拾ってきた子猫が女の子になって喋り出して以来、僕のストレスは溜まりっ放しだ。
寂しそうに布団を噛む猫耳少女がいる僕の自室に、さっきより大きな僕のため息が漏れたのだった。
「あぁ、何か面白いこと起きないかなぁ……」
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